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地震後の琵琶湖へ

 

 6月の雨の土曜日、ミルト・ジャクソンなんて乙だと思う。これ、実は妻のおじいちゃんの形見のアナログ盤である。生きていれば103歳の佐賀の紳士はなんて洒落ているのだろう。

 

 それにしてもこうして音楽なんかを聴いていられるのも地震の被害が最小限だったからこそ。不幸中の幸いというところ。ちなみに止まっていたうちのガスは明日開栓になる。家族も愛犬もその後、神戸の実家から帰って来る予定。ただ、先日の地震が前震だなんて可能性も囁かれているから未だ油断は禁物ではある。

 

 facebookにも書いたけれど、何が起ころうとフィールドに赴く、そして大真面目に遊び、そして学ぶことは、俺の仕事の大きなピースの一つだ。ブラックバスという魚に、そしてそれにまつわる様々な道具に、あるいはそれらを生み出す文化性に魅せられ、もう随分と長い年月を経た今では、それは俺の生活の一部でさえある。そんなわけで地震のせいで短縮となった魚矢の売り出しという名の展示会の後、千葉からお越しのレスイズモア・タカハシを伴って予定通り琵琶湖へ出かける。さすがに地震の直後はそんな気分になれなかったものの、妻と子供と愛犬を実家に預かってもらったということも手伝って・・・。それがそのままいろいろと文字通り「学ぶ」ということになろうとは。

 

 

 釣果はと言うと、タカハシのそれはちょっと恐ろしいくらいで、俺が思わず「こわっ?!」って言ってしまうほど。俺が彼に付き合ったのは木曜日の午後と金曜日の午前で、今日まで釣りをしているはずのその後の釣果は知らないが、金曜日の午前中だけで53cm、54cm、58cm、59cm(ほとんどロクマルと言ってもいい魚だったのに、こういう時に限ってきっちり測らせてしまう俺は嫌味なヤツ以外の何者でもないね)の魚をキャッチしたのだから、それは十分驚異的と言っていい。

 

 俺はと言うと、木曜日の午後に遅まきながらの初バスを釣ったとはいえ、金曜日の午前は1本いいのをバラしただけの坊主だから、今まで積み上げたスキルにしろ、さらにはプライドにしろ、ボロボロのズタボロの完膚無きまでの完敗である。俺に気遣いを見せるタカハシではあったものの、これまでには琵琶湖で数々の辛酸を舐めて来たヤツだけに、その実はさぞや爽快だったに違いない。俺の方は驚くやら、悔しいやら、羨ましいやら、さらにはそういうのを面白がる第三者的な自分もどこかにいて、その複雑極まる感情ったらなかった。ま、しかし、特にメキシコや琵琶湖では、プライドをボロボロにするほどの経験はこれが初めてではなく、だからこそこの遊びはやめられない、と強がりも含めて言っておく。

 

 

 何故そこまで釣果が違ったのか。タカハシが使ったルアーが4本それぞれ違うということを見てもわかるように、要はルアーではなく(ルアーがどうでもよいということではないので誤解なきよう)それはメソッドにある。簡単に言ってしまうと線で釣る俺に対して、タカハシのは点であるということ。広い範囲を効率よく釣りたい俺に対して、タカハシのそれはゆっくり丁寧で一見非効率的である。いつもならその「点」がハマるシチュエーションがあったとしても、これにある程度は「線」で対抗できるのが普通であるのに、この日はそれが全く通用しなかったと、そういうこと。こんなことってあるんですね、っていうくらいに見事に。現象的にはとても面白いが、通用しなかった方にとっては冗談じゃないのである。

 

 ちなみに、釣れるまではいろいろとやりもするが、釣れたらそのルアーを使い続けるのが俺のやり方で、4種類のルアー(例えばペンシルベイトっていう共通点さえない、ほとんどジャンルの違う4種類)でこうもいいサイズを釣ってしまうなんてほとんど考えられない。今回、それが功を奏しているのは、タカハシだから成せる技だと思う。釣れたというのに、取っ替え引っ替えルアーを使うことは、トップウォーターをやる人にはありがちで、実はこれが釣れない原因となることが多々あるのだ。釣れたらそのルアー、あるいは同じジャンルのルアーを使い続けるのは、釣るためには常道。

 

 

 俺がその「点」ということに気づいたときには時すでに遅し。それに普段やらない付け焼き刃だし、実を言うとそういう釣りが苦手な俺なのだから、気持ちも焦っていてはうまくフィットするよしもない。ああ残念無念・・・。

 

 一つ俺が彼の釣果に貢献したとすると、船頭という役割を担ったということだとは思うのだけれど、エリアの選択にしろ、操船にしろ、普段通りのことをしただけで、何も特別なことをしたわけではない。強いて上げるならボートの流し方か。

 

 同じエリアに入っていた松永くんというお客さんはカヤックでエントリーしていて、同じように見事な釣果を上げていらっしゃいました。しかも連日。ここにはルアーとメソッドはもちろんのこと、実はカヤックという利点がある。カヤックやフローターはジョンボートやバスボートに比べると、魚にプレッシャーを与えないという点で有利なのだ。(事実、この日同じ時間にこのエリアにいたバスボートは三人がかりで一尾もキャッチする様子がなく、タカハシの釣果を尻目にやがて引き上げてしまった。タカハシ曰く「どうせトップウォーターでしょ」なんて揶揄する会話も聞こえたらしく、だから59cmを釣った際にはこれ見よがしな歓声をを上げてやったとか)これにジョンボートで対抗するにはちょっとしたコツがあるんです。でも、これも当たり前といえばそれまで。

 

 と言うわけで、とてもよい勉強になった今回の琵琶湖でした。今年のメキシコでの釣りもまたそうだったように、自分の釣りを見つめ直して、そして幅を広げ、(とは、今回一緒にメキシコに行った玉越さんの言葉を借りました)ゆくゆくは作るルアーにも反映させるよい機会になりました。タカハシにも感謝。今日も引き続き日本代表のコロンビア戦ばりに奇跡を起こしたかもしれないレスイズモア・タカハシの報告は、そのうち彼のSNSかブログにてどうぞ。

 

 

 その午後も居残って釣りをしたかった俺なのだけれど、タカハシにはいつもここで釣りを共にするかっちゃんという友人が休みをとって参上したこともあり、俺はお役御免と相成りました。ただ、それよりも一刻も早く行きたいところがあったのも本当。お昼を食べてちょっと休憩したら、一目散に神戸の妻の実家に預けた息子の元へ。こいつがいることもあって釣りはキャンセルも考えていたわけだから。実家で昼寝中のヤツの隣で俺も添い寝して、やがて起きたヤツの数日ぶりの笑顔は最高に愛くるしかったのでした。

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