奇天烈と完璧と

 

 俺はなんて奇天烈なことをこうも次から次へと思いついてしまうのだろう、とひとまず自画自賛してみる。決して卑下ではなく。

 

 このところ、前々から考えていたことを実際にルアーに施してみるという作業に取り掛かっている。不定期にこういうことが自然発生的に起こり、やり始めると相乗効果というやつで、後から後から試してみたいことが湧いてくる。中には「なんじゃこれ?」と自分でも笑ってしまうようなアイデアもある。

 

 昨日思うに任せて作ったものだって、これはもう本当に面白いアイデアで、実現すればかなり楽しいものになるはず。ただ、残念ながらものにならないことはままある、というよりはそれがほとんどである。昨日の夜に書いたラブレターのようなものだというと、少し例えは違うだろうか。それでも中にはものになるものが必ずあって、それがうちのルアーとしてリリースされるわけだから、この作業はとても大事なのだ。

 

 もちろん、今シーズン(おそらくは5月あたり)リリース予定のSweepy J del Plastico(上の画像)だって、そういう作業から生まれたもの。ウッドの時にも結構な苦労をしたのだけれども、プラスチック化するにあたってもそれ以上の試行錯誤を要した労作だ。

 

 「いろいろな判断を先送りにできたら、こんなにいいことはない」というような表現が、今読んでいる小説の中に出て来て、気づくとついつい深々と何度もうなづいて「やっぱりそうよね」とひとりごちる俺がいた。なんというか、完璧なんていうものは完璧にないわけで、それなのに「えいやっ!」とジャッジしなければならないことがこの世には多過ぎる。例えばルアーをプラスチック製品化することにはそれ相応の俺にとっての大金がかかってしまうから、これを「はい、どうぞ、やって下さい」というのは相当ストレスフルな作業なのだ。

 

 ちまちまと思いつくことを試しているうちは楽しいのだけれどね。

 

 

 彼らの演奏は俺には完璧に聴こえる。不完全さも含めてというと語弊はあるけれど、音楽とはそういうものだと思う。普段の生活はほとんど破綻してしまっていたらしい彼らの音楽のなんと美しいことか。「But Beautiful」という本があったけれど、ま、そういうことだ。完璧でないからこその完璧。

 

 

 ところで今年はなんだかイベントづいている。先日の「とにかく牡蠣を腹一杯食う会」に来ていたGo-Phishタケダくんに突然誘われて、このイベントに有無を言わさず引き込まれてしまう。発起人あるいは仕掛け人たるもの、時にはそういうリーダーシップは必要だ。俺のように尻の重い出不精の男を引っ張り出すのなら余計に。

 

 それにしてもちょっと新鮮な趣のあるイベントのようだから、肩肘張らずにお気軽に楽しもうと思っているところ。

 

 そうそう、一昨年は心斎橋、去年は博多の東急ハンズでやったFishing Safariというイベントも今年3度目開催の予定で進みつつある。なんと場所は渋谷。詳細はそのうちに。

 

 

 そして、そのFishing Safariのメンバーでもある中津のイレクターズが、来週末えらいことになるらしいと、もっぱらの噂。ビンテージコールマン大即売會と題し「期間中約300台のランプ&ランタンを販売させて頂く予定です」とのこと。なんでもアメリカのコレクターが大放出したのだとか。見るだけでも価値ありか。

 


 価値ある放出品はこちらにも。うちのユーザーである福岡の大坪くんという人がボルボ240をよんどころない事情により譲りたいそう。90年製のカラーはフィヨルドブルー(画像参照)。車検は今年の11月まで。走行15万キロ弱。機関はボルボのディーラーで定期的に見てもらっているので問題ない(はず)とのこと。80万(送料と登録料は先方持ち)でいかがでしょう?問い合わせはmsfogg1969@hotmail.comまで。

 

 

 ボルボと言えば240。240は名車である。見たところホイールは定番のコロナホイールを履いていて、さらにはホワイトリボンのタイヤを履いているフィヨルドブルーのこの車の端正なこと。実を言うと俺も愛車240をオールペンする際に、今のボーンホワイトにするか、このフィヨルドブルーにするか相当迷った。それほどいい色。

 

 

 27年も前の車なので、それなりに修理と付き合う必要はあるとは思うけれども、愛車というにふさわしい車になってくれること請け合い。不完全さも含めて完璧を愛する奇特な人に。

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リー・コニッツが鳴る早春の宵

 

 男五十三にしてリー・コニッツに興味を覚える。名前の響きは以前から気に入ってはいたし、なんだかそこにはビル・エヴァンズと同じような匂いを嗅ぎつけてもいた。トリスターノの影響下にあるという点でどうやらそれは間違っていなかったよう。

 

 まずはピアノレストリオを聴く。ジャズにおいては少々変則的な形態ではあるものの、ソニー・ロリンズのそれが好きな俺にはおあつらえ向きかもしれない。しかし、ソニー・ロリンズとはある種対極。あからさまなブローも泣きもなくセンシティブでクールな印象のその演奏は、間が緊張感を生むこの編成にさらなる緊張感を生むのだ。

 

 俺にはまだまだ知りたいと思う世界がある、そう思わせてくれる音楽がある、とリー・コニッツを聴きながら思う早春の宵。

 

 

 そんな本日は九州の還暦御大からの報告あり。Slapphappy Beaver 3rdの二番乗りはこの人=伊東さんである。還暦の御大が真新しいプラグでこの時期に二番乗りをかっさらってしまうということには、もちろんシャッポを脱がざるを得ないのだけれど、同じくこの時期に5バイトというSlapphappy Beaverの威力も特筆に値すると思っている。そしてこれの威力に懐疑的だった還暦御大がどうやら開眼したことについては、俺としても非常に嬉しいのである。

 

 猫にマタタビよろしく、バスはSlapphappy Beaverの巧妙な誘惑にフラフラと引き寄せられて、そしてついついパクッとくわえてしまう。そう、「ついついパクッ」は言い得て妙だ。

 

 そんな御大に感化されてか、それとも春の匂いにつられてか、ここ数日はプロトタイプのテストで淀川の例の溜まりに毎日のように通う俺なのだけれど、そろそろ実際の釣りに行ってもいいかなと今年はいつになく早くにそう思っているところ。

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ましな大人になるということ

 

 ジョアン・ジルベルトを聴きながら昼寝する我が子はなんて幸せなんだろう。俺だってそういう環境に生まれていたら、もう少しましな大人になっていたかもしれない。そう思ったのが仕事を休みにしたこの前の木曜日。やつにはいい音楽をなるべくたくさん聴いて欲しい。別にミュージシャンになんてならなくてもいいから。

 

 昨日の土曜日は屋外で牡蠣をとにかく腹一杯いただきましょうという大人の催し事に参加。オオタ君という人とその仲間の計らいである。数年前にロスで食った生牡蠣にひどい目にあったから生は勘弁して欲しいが、幸いこの日はそれを考慮してどの料理にも十分に火が通っていて安心。オリーブ漬けにフライ、焼き、酒蒸しに混ぜご飯、いやしかし、これがかなりの出来なのである。あれほど牡蠣を食ったのも初めてかもしれない、というほど堪能させていただきました。

 

 それに、だらだらと居残ってひどい顛末になるなんてこともなく、素早く片付けてあっさり終わるというのも大人っぽくていい。おかげで俺は帰って息子とお風呂に入ることだって出来てしまいました。

 

 

 そのたらふく牡蠣を食う大人の会の席でその筋の人から聞いた話によると、どうやらSonicmasterの組み上げが順調にこなされているよう。こちらのカスタムパーツは全て送り込んであるから当然と言えば当然なのだけれど、これまでの経緯、つまりはここまで遅くなっていることを考えると、意外と言えば意外な展開なのである。

 

 本当に順調ならば、小粋な大人のための愛すべき愚行、Sonicmasterの納品は近い。

 

 

 そして、何度撃沈してもめげない、とても子供には真似のできないクレイジーな精神力を持つ大人の男からの報告。クソ寒いにもかかわらずリリースしたてのルアーでいの一番に釣ってしまうのは立派であるし、津波ルアーズにはとてもありがたい。

 

 やつ曰く「アクション、サウンド共にビーバー史上最高です♪」とのこと。ウッド製であるからして個体差がある(それは欠点であり、そして面白さでもある)とはいうものの、もちろん改良しているわけだから、そこはそれ、良くなっているのは津波ルアーズに精通する、その名もマニア谷口の言う通りなのである。

 

 例えば一個持っているとしても、3rdも買ってしまうのがそこそこましな大人の正しい性なのではないかと思う。

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トップウォータープラッガーたるもの

 

 トップウォータープラッガーたるものそれ以前に思慮深くあれ、と俺は考える。釣りなんてほとんど哲学だと思うから。やつはそんなトップウォータープラッギングの本質を語ることの出来る数少ない男のひとりである。ま、要は俺とは割と趣味が合うということに尽きるのかもしれないけれど、それにしても貴重な男であるには変わりがない。

 

 そろそろ付き合いも十年をゆうに超えるリベラル・アングラーズ=シゲは、津波ルアーズや俺の音楽や俺自身を俺以上に評価してくれるという意味でも稀有な存在ではある。「Rottonの弟の方」でもあるそんなシゲがリベラル・アングラーズというサイトを立ち上げたのだそう。目ざといユーザーならばすでにご承知のことだと思うから、あえて俺が紹介するまでもないとは思うのだけれど。その証拠に別注のくじらフェはすでにSold Outだし、うちの掘り出し物のサンプルのトートだってもう売れてしまっている。

 

 

 要するにウェブショップ華やかなりし今にあっては、目の付け所と発信のあり方がショップの性格を映すし、それがいかにウィットに富んでいて人の意表あるいはツボをつくのかが共感を集めるか否かを左右する。彼の場合は決してマスに訴えるとは思えないが、一部の小粋なにいちゃんを刺激することにおいてはかなり長けていると、俺はそう思っている。そもそもうちの総柄のバッグやくじらフェや、それから最近思いつくところだとCosmo DPのミノーイングやなんかに着目するあたりは相当渋い。

 

 今後もリベラル・アングラーズの企画にはなるべく乗ってみるつもり。お楽しみに。

 

 

 Rottonの方の別注もある。Slapphappy Beaver 3rd / Wave Head Red。うちがレッドヘッドをレギュラーでリリースすることは最近あまりないから、レッドヘッドが好きな人はいかがでしょう。その昔はうちでレギュラーをはっていたカラーパターンなので、ちょっとひねくれ者のレッドヘッドではありますが。

 

 しつこいようだけれどSlapphappy Beaverって本当によく釣れるので持っておいて損はなし。あるうちに買っておいてちょうだい。

 

 

 出勤時に車で鳴ったのは全盛期ともいうべき60年台前半のジャズメッセンジャーズで、久しぶりに聴くこれが実に快適だったのでブログを書くバックにも。自分が認めた若手をバンドに引っ張ってきては才能を開花させて送り出すということを、知ってか知らずか繰り返していたアート・ブレイキーも、その演奏能力以上に目の付け所という点で優れたアーティストだ。

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在庫とか入荷とか

 

 昨日は仕事を休みにして自宅で1日過ごす。待望のスタートレック BEYONDを出たばかりのDVDで遂に観たりなんかして。俺くらいのオールドファンにだって新作は訴えるものがある。スタートレックはどうやったってやっぱりいい。劇場で観るべきでした。

 

 おとといの夜にはフットサル。人数が揃わなかったりでしばらくぶり。この日も7人しかおらずゲームは無理かと思われたのだけれど、隣のコートでやっていた若者に声をかけてお手合わせならぬお足合わせいただく。相手は二十五、六ほどの若さで俺とは親子ほども年が離れているからそもそも動きが違うのだけれど、それでもなんとかやれたことが嬉しくてことのほか楽しかった。スポーツっていいですね。

 

 親子と言うと、それにしても腕が痛い。特に左腕の肘あたり。10ヶ月でもう10kgになる息子のおかげである。フットサルの前に吉野家で紅生姜の容れ物を持ち上げようとしたら予想外に痛みが走った。今後が思いやられるのです。

 

 

 そうこうしている間にSlapphappy Beaver 3rdの追加注文が何件か。おととい出荷したばかりだから昨日か今日には店頭に届いているはずで、どうして早速そんなことになるのかわからないけれど、ま、良い傾向ではある。メーカーにはCJ-PKとSF-IVが残り1個でその他のカラーの在庫はいくつかずつあります。それにいつも在庫を置いてくれているお店ならもちろんまだあるはずなので、お小遣いの都合で注文できなかったなんていう人もご安心を。でも、なるたけ早くご注文いただくに越したことはないけれど。

 

 

 在庫というと、しばらく欠品だったエディプロップが入荷。クワイエットファンクとのコラボ・オリフィーにこれが必要となったための製作で、もちろんパーツとしての在庫もあり。わかりづらいものの少しリファインもしてある。画像の左が旧エディプロップで右が新エディプロップなのだけれど、違いがお分かりだろうか?そう、よく見ると肌のキメ細かさというか、輝き具合が違うのが見て取れると思う。型はそのままにバレルという磨きの工程を一手間増やしてもらった。これによって仕上がりに艶が増したというわけだ。

 

 大したことではないし、分かりにくいったらありゃしないリファインであるとはいえ、なんだか少し嬉しいのでお知らせしておくことにする。

 

 

 ブログのBGMはDoors。Doorsと言うと俺がいた中島らも & Mother's Boysで彼らの「ハートに火をつけて」をカバーしていたことを思い出してしまうけれども、このアルバムはそれが収録されている1stではなくて2ndである。陰鬱が俺のDoorsに対する印象で、決してそれほど好きであるとは言えないと思う。ただ、そこにある狂気のようなものを始めとする、彼らにしかないなんとも言えない雰囲気をどうしても無視することが出来ずに時折聴いてしまうことになる。そういう音楽が俺にはある。

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